第 3 章 ネットワークの構成モデル

3.1 【2 階層キャンパス設計モデル】
2 階層キャンパス設計(Two-Tier Campus Design)とは以下の 2 つの層で構成される小規模な環境向けのネットワーク設計です。
・アクセス層:ユーザを直接収容する
ディストリビューション層:アクセス層のスイッチを収容する

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アクセススイッチ同士を直接接続しないことで、ケーブルの本数、使用するスイッチポートを減らすことができます。なお、冗長化のために、各アクセススイッチは複数のディストリビューションスイッチに接続する構成が一般的です。
コア層がなくなっていることから、コラプスト コア(Collapsed core:つぶれたコア)設計とも呼びます。

 

3.2 【3 階層キャンパス設計モデル】
3 階層キャンパス設計(Three-Tier Campus Design)とは以下の 3 つの層で構成される大規模な環境向けのネットワーク設計です。
・アクセス層:ユーザを直接収容する
ディストリビューション層:アクセス層のスイッチを収容する
・コア層:ディストリビューション層のスイッチを収容する

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2 階層キャンパス設計を採用した拠点同士を接続する場合、設計にもよりますが接続拠点が増えるたびに拠点間を接続するケーブル数が極端に増加します。

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このような場合、各拠点のディストリビューションスイッチを収容するコアスイッチを用意し、追加された拠点はコアスイッチにのみ接続するようにします。こうすることで、拠点間を接続するケーブルを用意する必要がなくなります。
なお、コアスイッチは核となる拠点に配置されるのが一般的です。

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各ティア(階層)の主な特徴は以下の通りです。

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3.3 SOHO
SOHO(Small Office/Home Office)とは、小規模オフィスや自宅兼事務所(在宅ワークなど)のような小規模なネットワーク構成を指します。
SOHO で使用される主な機器

・サービス統合型ルータ(スイッチやファイアウォールなどの機能も併せ持つルータ)
・自律型 AP(WLC 無しで WLAN を構築できるアクセスポイント)

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